阿部乳坊
阿部乳坊
荒川創也
荒川創也
木村泰平
木村泰平

three
three
ユミソン
ユミソン
いままでとこれから
いままでとこれから

「中からの解放」

 

 荒川、木村、ユミソン、threeの共通点を見出すのならば中からの解放という事になるだろう。

 

 荒川創也の場合

 彼は占い師の指示をヒントに彼がビッグスターに至るまでの経過を忠実に実行してゆく。「I will be a big star!!」と題した作品を現在長期的・持続的に制作中である。彼は自身の人生をも作品としてとらえ、成長し、活躍し、そして死ぬまでの過程を作品として刻んでゆく。作品そのもより尊重される事は彼の生き方そのものの解放なのではないだろうか。

 

 木村泰平の場合

 透明樹脂の中に爆薬を仕込み、爆発の瞬間を閉じ込めた作品や、回転体に樹脂を付着させ中心から生まれる表現方法が印象深い。また車にテンションをかけて持ち上げる作品などは重力について強く意識されている。内側から生まれる作品。重力という外的要因に対して反発し合うかのような形体。内側からの物理的、暴力的な力には恐怖さえ感じる。

 

 ユミソンの場合

 インスタレーションや言葉を使った作品を制作し、ウェブデザインや批評など他分野での活躍も目立つ。そんな多岐にわたる活動の中で、今回は作家の空間性・相互関係性に注目したい。彼女の作品は他者の介入なくては成り立たない。鑑賞者が空間の中に取り込まれる〈〈そうでなくては成立し得ない〉〉事で生まれる作品には、凛とした作家の姿勢と謎に満ちた背景が溢れてくる。

 

 threeの場合

 三人組で構成される3〈three〉はフィギュヤやしょうゆさし等を大量に用いて、それらを構成し制作している。特に注目すべきは彼らの作品の作り方である。秋葉原で購入して来たフィギュヤに熱を加え、型に押し詰めて作品は形成される。大量のフィギュヤが圧縮され、変形され、中身の詰まった形態は、自己を主張した個の集合体である我々そのものを表しているかのようだ。

 

 <阿部乳坊>